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検索結果
令和何年かの元旦。俺は謎の場所に飛ばされ謎の人間からこう告げられた。
「貴方には世界を救ってもらいたい」
無茶言うなと断るも圧倒的パワーコミュニケーションでけんもほろろ。結…
さて、困った事に大雨である。
学校まで60分。獣道を掻き分け野を下り、橋を渡って登校しなくてはならない。さすがに厳しく、「車を出してくれんか」と父に言ったところ「甘えるな」と…
玄関を開けると、薄暗く、辛気臭く、溜息を止めるのに難儀する。
「ただいま」
靴を脱いでリビングへ行くと、妻はいつも通り、介護ベッドの上にいた。
久々に帰省するかと思い立ち、いやぁ25年ぶりかぁ懐かしき故郷に何か変化はあったかなぁと調べてみると、実家が心スポになっていた。
とうとう結婚するしないの話となった今、アンナに伝えなければならない事があった。
「ごめん、俺昔、女風でセラピしてたんだ」
妻の顔を見れず声を落とす。床を睨む俺の姿はさぞ情…
レザーの椅子が軋み微妙な昇降が繰り返され、鏡の真ん中に自分の顔が映ると、伸びた髪の奥にある瞳が澱んでいた。
「みっともないねぇ」
母親にそう言われ、実家の一階にある店で髪…
絶対に絶対にピアスを開けてやると決意して迎えた日曜、空は高く涼やかな風が吹いていた。
「安ピンよし! ライターよし! 消しゴムよし! 脱脂綿よし! 全てよし!」
昨夜、テ…
ナフサはあるっつってんだろ!」
そんな怒号が聞こえてきそうな政府の見解がリリースされた。曰く、「年度を超えて安定した供給が可能」との事。背景としては国内企業が次々にプラスチッ…
新しい靴、なんと履き心地の良きことか。
試着した段階でもう違ったのだ。軽やかでいて柔らかい。歩いている感覚がなく、ずっと空気に運ばれていくような浮遊感。これまでの凡百なスニ…
カラオケに来た。
歌唱力向上のため、フリータイム1900円でカラオケにやってきたのだ。
「歌が上手い男はモテる」
そんな情報に踊れされハイボール片手に入室。景気付けに…
この街の一角に、デスロードと呼ばれる通りがあった。
「メイド! メイドですよお兄さん!」
「忍者でーす! くのいちでーす! ニンニン!」
「あ、魔法少女やってまーす! …
左手のプラチナリングが、重く感じる。
結婚して3年。夫との会話は諍いばかりになった。私が一方的に捲し立てては、相手が謝る。その繰り返し。
ごめんなさい。私はあなたに必要…
「殺すぞ」
ショッピングモール。子供に向かって声を荒らげる父親がいた。
子供はただ泣いている。大声をあげ、この世の全てに不満があるかのように叫んでいるのだ。
都内の中心にある巨大ビルの中に、ディストピアテーマパーク『人類ベース』はあった。
受付にて発行される人民ナンバーが入場チケットとなり、参加可能な没入体験は多岐にわたる。浮浪…
納豆が米からこぼれ落ちた。
失望と苛立たしさ。茶碗を洗う時の面倒が増えた。朝からうまくいかない。いや、もうずっとうまくなどいってないのだ。人生で、長い間下手を踏んでいる。
血迷い、SNSで女と会う約束をした。
とにかく疲れていて自制が効かなかった。モラルは追いやられ、一次欲求のみが全て。金で繋がる後腐れのない関係がいい。縁も情も希薄で、買う側…
「助けて!」
深夜、どこからともなく助けを呼ぶ声が聞こえた。
警察に電話すべきだろうが、あまりに眠い。それに、あれだけ大きな声で叫んでいたのだから他にも聞いている人間がいる…
犬は犬と、猫は猫と、豚は豚と番になるのが摂理である。
加齢と共に肉が乗り、腹回りに脂肪の冷たさを感じるようになった頃、女の好みがすっかりと変わっていた。若く、細く、青いエネ…
あれだけ寝たのに、まだ眠い。
休み明けの出勤。昨日はずっとベッドの上にいて断続的に眠っていたのに瞼が重く、体の節々が硬い。仕事へのやる気など微塵もないし生きていくのさえ諦め…
オレンジがかった明かりが眩しく、酔っ払いの乱痴気な騒音が割って入ってくる……そう、そこはまさしく、大衆居酒屋である。
「別れよう」
「いや、ちょっと待ってよ。正気?」
「…
職場にゴミが落ちている。
キャビネット横の小さな隙間、物を置くにはあまりに手狭な空間にポツンとビニール片が落ちている。これはいつからあるのか、入社前から落ちていたかもしれな…
ベッドから起きてキッチンへ行くと、いつも通り朝食とお弁当が用意されていた。
先に行くね。
スマートフォンに送られているメッセージ。これもいつものことで、彼は私より早く起…
阿吽、仁王が開閉扉の両隣に立ち塞がる。
じきに目的地到着ということで早めに出入り口前へ行くと、睨みを効かせる二人の大男が行方を阻んでいるのだ。
いよいよそういう事をするというタイミング、服を脱いだ彼女の肌にエグいタトゥーが入っていた時の適切な反応を述べよ(5点)。
「なんだか緊張するね」
「……うん」
蛙がいた。
都会の道の真ん中、青々とした蛙がゲェと鳴いた。
多摩川か荒川あたりから流れ着いたのか、流浪の蛙は、潤いのないコンクリートの上をひだのついた足でしっかりと掴んで動…
鯉のぼりがあがっていた。
そうか五月かと、薄い感覚のまま見上げる。空は深く、風は早く、三匹の鯉がいきいきと靡いているのが懐かしく、心をしんと撫でた。
やめておけばよかった。
そんな風に思ってももう遅い。車両はもう動き出しているのだから。
朽ちたホームレスがいた。
伸びた髪、髭。悪臭を纏うホームレスが、道端にいた。
このホームレスにも背景がある。
今日こそ、今日こそなのだ。
この日のために歌の練習をしてきた。毎日欠かさず3時間。カラオケにこもって地獄のカリキュラムを断行。AI採点のアベレージが+6点と歌唱力は確実に上…
