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尾張の飯炊き足軽、信長に拾われる 〜桶狭間の裏で名もなき兵糧係は腹から天下を支えた〜

作品紹介

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アルファポリス・第12回歴史時代小説大賞
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尾張の貧しい村に生まれた清吉は、槍も下手、馬にも乗れず、武功とは縁のない足軽だった。

戦場で与えられた役目は、誰もが軽んじる飯炊き係。

だが清吉には、亡き母から叩き込まれた「人を生かす飯」の知恵があった。
水を煮ること。味噌を腐らせぬこと。腹を壊さぬ粥を作ること。雨の中でも食べられる握り飯を用意すること。

誰も気に留めなかった陣中の飯を整えたことで、清吉の組だけが腹を壊さず、夜明けに走ることができた。

その小さな働きが、やがて織田信長の耳に届く。

「槍で勝つ者、鉄砲で勝つ者、策で勝つ者は見てきた。飯で戦を語る者は初めてだ」

桶狭間を前に、清吉は三千の握り飯と味噌玉を作る。
名もなき飯炊き足軽の一膳が、織田軍の足を支え、戦国の流れをわずかに変えていく。

これは、刀ではなく飯を武器にした男が、信長の台所から天下を支えていく物語。

槍働きはできなくても、腹を満たせば兵は立つ。
兵が立てば、戦は動く。
そして戦が動けば、歴史もまた動き出す。

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