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春信の錦

作者: kiri

作品紹介

▽▽▽▽▽ 将軍は八代吉宗から九代家重に代替わりした。 だが吉宗はまだ大御所として質素倹約の政治に力を尽くしている。庶民にしわ寄せが来るのはどの時代も同じだろう。江戸はそんな締めつけばかりの世の中を生きている。 「笑い飛ばさなきゃやってられっか! 世の中は憂き世じゃねえ、浮き世だ」 酒も文化も西からの下りもの、出版業も上方(かみがた)が優勢。 だが時代は変わる。 江戸の出版社が自ら作りだした絵本や一枚絵に皆が飛びついた。墨摺(すみず)りの小さな本でもそれは確かな矜持になる。江戸は自らの文化を手にしたのだ。 そんな中にひとりの浮世絵師が世に出てくる。 鈴木春信(はるのぶ)。 彼の絵は夢の中の少女を描いたような美しい絵だった。だが最初からそういう絵を描けたわけでもない。役者絵をけなされ、絵師として採用されることもなかなかに難しかった。 遅咲きの大輪の花。春信がどうやって美しい浮世絵に辿りついたのか。ひとつ、それをお話しましょう。 ▽▽▽▽▽ 今年の大河ドラマより、ほんの少し前の時代。 絵師も前の世代から次の世代への過渡期、歌麿も写楽も北斎もまだ子どもです。 彼らよりも知名度はあまり高くあり

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