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未来人、ミニマリストなのに所有権について語る

作品紹介

未来から21世紀へタイムスリップしてしまった“俺”――所有という概念をとうに手放した未来人。
だが、降り立った現代は「所有」を信仰する世界だった。
拾ったスマホに通報され、コンビニでおにぎりを“万引き”扱いされ、
警察に連行された末に気づく。
——この時代では、「持つ」ことが生きることらしい。

興味を持った俺は、登記所・特許庁・NFT市場を巡る旅に出る。
紙の証明書、印鑑、電子署名——そのすべてが「信仰の儀式」に見える。
人類は“所有を信じることで秩序を保つ”宗教を築き上げていた。

そして辿り着く、AI著作権裁判。
人間がAIを訴え、「俺の感性をパクった!」と怒鳴る光景。
AIは静かに言う。

「思考を形成した文化は、あなた一人のものですか?」
その瞬間、法廷に漂う沈黙を見て、俺は悟る。
所有とは、怒りを制度化した仕組みなのだ。

やがて俺は気づく。
人間は自分自身すら所有していない。
身体は国家に、データは企業に、感情はアルゴリズムに。
自己所有という最後の幻想を守るため、
人間は“自分を囲う柵”をセキュリティと呼んでいた。

しかし未来では、“所有”の代わりに“共鳴”がある。

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