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『うろのごはん』この妖怪は、人の"何か"を食べて生きている。

作者: 比古狭霧

作品紹介

高校進学を機に、十年ぶりに埼玉の祖父家へ戻ってきた少年。

昔と変わった町並みの中で、彼にだけ昔のまま見え続ける、神社の裏山にひっそりと佇む名もなき別院。

そこで封印を解いてしまったのは、真っ白な小さな妖怪──「うろ」。

《腹、減った》

何を食べても「まずい」と吐き出し、自分の名前さえ曖昧でうろ覚えな、不思議な存在。

だが、祖父の遺した帳面には、こう記されていた。

──もし封印を解いてしまったなら、決して腹を満たすな。

うろはいったい何を食べる妖怪なのか。

なぜ三百年もの間、封じられていたのか。

そして、飯能の町に今も残る、消された神社、読めなくなった石碑、誰にも見えない祠。

人が忘れたはずのものだけが、少年には見えていた。

これは、嘘が嫌いな少年と、正体さえ忘れてしまった妖怪が、町に残る小さな出来事を通して、人の心に触れていく物語。

最後に明かされる「うろのごはん」の正体が、物語のすべてを書き換える。

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