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シュシュは、婚約者の母親から婚約破棄を告げられる。理由は「国を滅ぼすきっかけを作ったとされる悪女、チュチュ・コスメーア」の子孫だからということ。 落ち込みながらも前を向いて生きていた彼女は、好ましく...
「ねえ、ロゼ。この本をあんたに贈るのはね、ここに本当に大切なことが書いてあるからなんだ」 ローゼリリィの恩人であるポピーは、彼女が嫁ぐとき、別れ際にそう言った。 *** ロ…
公爵令嬢の母と王子を父に持つリランディアは「魔の泉」の底で生まれた。 母を喪い、落ち込んでいたところで、母の兄の子どもだというノエルに出会う。次第に惹かれ合うふたりは、静かな交流を重ね、おとなになっ...
落ち姫は風に包まれてやってきて、風にさらわれていく。 べチルバード王国には、古代からそんな伝説がある。 国が淀みに包まれた時、落ち姫と呼ばれる女性が現れて危機を救う。役目を終えるとどこかへ消えてし...
「話しておかなくちゃいけないことがあるの。一緒に来てくれる?」 プロポーズを受けた清花は、婚約者の "ひさめ” を連れて、自分が五歳まで住んでいた家へ向かった。そこではかつて、…
掲載: カクヨム 作者: 三條 凛花
更新: 2023/07/31 1話
"真珠姫”と呼ばれた公爵令嬢ペルラニア・マルガレーテは、王太子の毒殺未遂で処刑台に立たされていた。 奇しくもそれは、星の王国アシュテルラの、特別な夜のこと。この光景を見るのは二度目。今度は家族を守れ...
「愛し子を森に捨てたから、妖精たちが怒っているのだ」 妖精の森を抱くルスリエース王国では、深刻な事態に皆が頭を悩ませ、そのような噂がまことしやかに流れつつあった。 森を彩る実が消え、森に入って行方...
ラヴェンディア、もうすぐ十八歳。 家族のもとから逃げ出し、森の妖精魔道士の屋敷で家政婦をして五年目になる。 ところがある日、雇い主であるエリアルに突然求婚されてーー。 ラヴェンディアにもエリアルに...
ラノベ作家である佐保里は、気がつくと異世界にいた。まさかの「生霊」の状態で。 誰もが霊を視える王国。 ただし、霊という概念がなく、魔獣だと思われている、そんな場所である。 そしてそこには、亡くなっ...
ーーそれは遥か昔、雲が墜ちてきた日にはじまる物語。 いつものように森で果実を摘んでいたリヴェールは、空から落ちてきた少女を助ける。 彼女は、マリィという名前以外、すべてを忘れていた。 二人は森の...
第一王女リュシィは、図書室の隅で震えていた。 婚約破棄をされて失意の中、次は謀反が起きた。城のあちこちで火の手が上がる中、侍女のシガーラが自ら囮となり、追手の目を逸らしてくれていた。大勢の足音が迫っ...
その朝、砂の王国・サーブルザントに二つの星が落ちた。 それは第二王子のアイユーブが、異界の聖女召喚の儀式を行なっていた日であった。 一方、そのころ、とある場所では行方不明事件が相次いでいた。心霊スポ...
トラックに跳ねられて海に落ちた星羅は、気がつくと見知らぬ城の中庭にいた。目の前では美しい黒ずくめの男が泣いている。それが“泣き虫陛下”とあだ名される若き国王、ウルリッヒとの出会いだった。 ――これは...
新しい口紅をつけて家を出たその日、すみれは古書店で信じられないくらい美しい青年と出会った。 気がつくと連絡先を交換していて、しかも一緒に暮らしていてーー。すみれ自身もその暮らしも、大きく変わっていく...
【本編完結済】 嫌いだと口にするたびに、好きになっていた。 ネージュニクス王国の第二王子・ジルベルトは、きょうも礼拝堂で懺悔と祈りを捧げている。 幼いころ病弱だったジルベルトは「はずれ王子」と蔑...
これは、木漏れ日の国と呼ばれ、森に囲まれたルスリエース王国の物語。 希少なジュエラベリーを日暮れまでに集めろと城を追い出された、新人侍女のララ。 それは無理難題であった。雨降る森の中で途方に暮れて...
あの人にはもう会わない。そう決めた石倉夕璃子は、恋心を葬るべく、縁切りのジンクスがある喫茶店へ向かう。ところが、その日の朝、自分が殺される夢を見て飛び起きた。実は彼女は、たまに予知夢を見ることがあった...