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幸福の条件

作者: 松田

作品紹介

俺の名前は啓介。 目覚めたとき、空はすぐそこにあった。 「ここはどこだよ」 夢の中かな 白い羽が一枚、空からひらひらと落ちてくる。 地面に触れる前に、それは鳥の形になった。 「私の名はノルム」 白い鳥は微笑むように羽を揺らす。 「迷うあなたを、助けるためにいる」 そのとき、影がひとつ増えた。 啓介の足元に、黒が滲む。 「我が名はセルガディア」 地面を踏みしめる音だけが重い。 「お前の邪魔をする、狼だ」 なんなんだ一体 ノルムは耳元で囁いた。 「ここは長くいる場所じゃないよ」 「急がないと、あなたは自分のことを忘れてしまう」 忘れる? 何を。 俺はもう、ほとんど覚えていないのに。 「分かった。じゃあ、行こう」 早くここを出たい。その一心だった。 一歩踏み出した瞬間、鋭い痛みが走る。 「痛っ」 足元には黒い狼。 セルガディアが俺のズボンを噛んでいた。 「急ぐな」 低い声。地面のように重い。 「狼さんさ、悪いけど邪魔しないでくれ」 ノルムは振り向きもしない。 「気にしなくていいよ」 「あれは、あなたを怖がらせるためにいるだけ」 もう一度、痛み。 さっきより強い。 「やめてくれよ……」 は、ゴ

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