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灰のレースー「線路の向こうは安全地帯」進む一歩が最も怖いサバイバルが始まる

作者: 妙原奇天

作品紹介

 進めば助かる、と言われた。
 けれど、誰も戻ってこない。
 灰はレースのように肩に積もり、私たちの会話だけが体温を持つ。足を止める理由は幾つもある。進む理由は、たった一つ。「信じるしかない」――それは救いか、処刑台への行進か。線路が国境の代わりになった日、私たちは「安全地帯」という言葉の意味を考え直す。
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 戦争終結の翌日。灰の降る爆心地を横断して「線路の向こうは安全地帯」と噂される方角へ歩く市民の列。だが、向こうから戻ってきた者はいない。疑念と希望が互いを食い合い、進む一歩が最も怖いサバイバルが始まる。

主要人物
・斎木 凪砂(さいき・なぎさ/17)…物語の語り手。学生手帳の余白に“歩行記録”を書く癖。
・綴木 蓮(つづき・れん/18)…寡黙な先頭派。速度と秩序を重んじる。
・廻谷 頼(めぐりや・より/26)…元・臨時看護員。止血と体温管理に長ける。
・町田 ミツエ(34)と娘のアユ(5)…列の“心臓”。足を止めさせる理由にも、進ませる理由にもなる。
・寺脇 定(てらわき・さだむ/58)…元・鉄道保線員。「線路は嘘をつかない」が口癖。
・放送の声(安東)…簡

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