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沈むマンション〜沈みゆく高層マンションで、最後にドアを押さえたのは誰だったのか〜

作者: 妙原奇天

作品紹介

 上がる水位は時計。減っていく段数は命の数。——最上階のドアが閉じる瞬間、あなたは誰の名前を残す?

◆あらすじ

 未曾有の大洪水により湾岸の高層マンションが孤立した。電源は落ち、エレベーターは沈黙し、階段だけが細い生存ルートになる。一階ごとに一時間で水が満ちてくる現実の中、住民たちは「誰を助け、誰を見捨てるか」という冷酷な優先順位を突きつけられながら、上へ上へと逃げ続ける。屋上ドアは二重施錠。鍵は管理人の鴫原と、上層の理事長室に一本ずつ。鍵を集められたとしても、開いたドアを逆流から守るには、内側で押さえ続ける“保持者(ホルダー)”が必要だ——つまり、出ていく者と残る者を最終的に分ける「選択の役目」がある。

 17歳の床島海斗は看護学生の姉・灯、管理人の鴫原、臨月の元助産師・一ノ瀬美桜、車椅子の少年・柏木陸、介護離職の野々村紗耶と要介護の父、合理主義の投資家・砂原徹、炎上ぎりぎりで注目を稼ぐ配信者・結衣、配達中に足止めされた熊谷蓮らと群れ、時に衝突しながら上を目指す。途中で拾う命、失われる名、書き換わる名簿。誰もが心のどこかで「自分は残る側ではない」と信じたいが、階段は嘘を許さない

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