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青き決別の堕天黙示録(エンジェルリセット)

作品紹介


 空腹だけが、私が私として生きている証だった。


 天空都市アスタリアの片隅で、弟と二人きりで暮らす少女、カナリアは今日も神殿から与えられた“魂の観測”の仕事をしながら、飢えから目を逸らして生きていた。

 ガリっとペンの先に力を入れて、白紙の模造紙に魂の残数を記入する枠を書き上げる。

 これは神様からの仕事。

 天使の誰もやりたがらない役割だけど、カナリアにとってはこの時間が、天界で生きる為に必要な理由だった。

 澄んだ瞳で眺める薄明の雲海。 体温よりずっと低いそよ風が身体に刺さると、肺の中が重たくなる。

 今日も世界は息苦しく、カナリアは精一杯の真っ白な息で空に存在を主張する。

 きっと今日も変わらない。

 だけど生きられない訳でもない。

 どれだけ虐げられようとも、この天界にも私たち姉弟を助けてくれる天使族族長イデルバと、族長の妻であるマリアがいる。 

 大丈夫。 胸を張って仕事を始めたそんなある日。

 勤務中に魂ではない、自分によく似た何かをカナリアは観測した。

『ねぇ、思い出した?』

――思い、出す?

 怖くなって強く閉じた瞼。 気がつくとカナリア

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