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勇者は背中から死んでいた

作者: swingout777

作品紹介

王都葬儀局の葬儀屋ノア・アーベルのもとへ、魔王を討った勇者カイゼルの棺が運ばれてくる。王国は「勇者は魔王との相討ちで胸を貫かれて死んだ」と発表していたが、ノアが遺体を清めると、胸の傷は死後に作られた偽装であり、本当の致命傷は背中の刺し傷だと判明する。勇者は魔王に殺されたのではない。味方に背後から刺されたのだ。

勇者の妹である聖女エリシアは、兄の死に疑念を抱き、ノアと共に真相を追い始める。二人は勇者の手に残されていた黒花、聖剣の血の記憶、父が残した死者記録簿、英雄管理局の帳簿を手がかりに、王国が英雄たちの死を都合よく書き換えてきた事実へたどり着く。剣聖、賢者、竜騎士――過去の英雄たちもまた、王国の物語のために本当の死因を隠されていた。

やがてノアたちは、魔王城が悪の城ではなく、敵味方を問わず死者の名を刻む墓所であることを知る。さらに、黒花は魔族の呪いではなく、世界に溜まる瘴気を吸い上げる浄化の花であり、魔王ゼルグレイスは世界を滅ぼす敵ではなく、黒花の根を通じて瘴気を引き受け続ける存在だったと判明する。勇者カイゼルはその真実を知り、魔王を殺すことをやめ、王都へ戻って戦争を止めようとして

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