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戦えない調律係はいらないと追放されましたが、壊れた魔道具の声が聞こえるので辺境で重宝されています

作品紹介

勇者候補パーティ《白狼の剣》で荷物持ち兼魔道具係をしていた少年エイルは、戦えないという理由で迷宮探索の直前に追放される。

彼に与えられていた職は、誰にも価値を認められない外れ職《音繕い》。
剣を振ることも、攻撃魔法を放つこともできない。
できるのは、壊れた魔道具から聞こえる小さな「ずれた音」を聞き分けることだけだった。

行き場をなくしたエイルが辿り着いたのは、かつて防護鐘に守られていた辺境の村リント。
井戸は止まり、水車は軋み、夜になると魔物除けの結界も弱まる、半ば見捨てられた村だった。

だが、エイルには聞こえた。
井戸の奥で泣く歯車の音。
水車の軸に残った古い職人の癖。
沈黙した防護鐘が、まだ鳴りたがっている音。

「戦えなくても、直すことならできる」

壊れたものを一つずつ直すたび、村は少しずつ息を吹き返していく。
そして、エイルを追放した勇者候補たちは、彼がいなくなったことで装備も結界具も狂いはじめていることに気づくのだった。

これは、戦えない少年が、直す力で居場所を作り、捨てられた辺境から静かに成り上がっていく物語。

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