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『夜行バス 0:00発 終着なし』忘れたはずの喪失が、今夜も隣の席に座る

作者: 比古狭霧

作品紹介

終着駅のないバスは「乗客が最も深く失くしたもの」へと向かう。失くしたものを探す青年と、失くしたものを抱えた旅人たち。終着のない夜が、静かに教えてくれる——「失う」ということの本当の意味を。

毎夜、0:00。夜長灯也の前に、一台の夜行バスが現れる。行き先表示は、いつも同じ——『0:00発 終着なし』

送れなかった言葉、返せなかった約束、選ばなかった未来、許せなかった自分、そして気づかぬまま手放してしまった大切な何か。車内には毎夜、さまざまな旅人が現れる。

彼らはそれぞれの喪失が待つ停留所で、静かに降りていく。二度とこのバスには戻らないと知りながら。

灯也はその旅を、ただ見届け続ける。彼自身もまた、胸の奥にぽっかりと空いた「何か」を抱えている。しかし、それが何だったのか、どうしても思い出せない。

夜を走る終着のないバスの中で、灯也は少しずつ気づいていく。

失くしたものは、必ずしも痛みだけではないこと。手放したことで初めて生まれる光があること。見方を変えれば、喪失はただの欠落ではなく、心の形を変える大切な欠片だったということを。

これは、忘却の夜に隠された、静かで、優しく、深

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