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放課後のふたりごと 〜廃部寸前の放送部で始めた二人だけのラジオが、いつの間にか学校一の人気番組になっていた〜
掲載: 小説家になろう
作品紹介
声が怖い僕らは、放送室で声を取り戻す。
放送室のドアを開けたら、夕日と、椅子が二脚と、静寂があった。
完璧だ。ここなら誰にも邪魔されない。
――そう思ったのは、一日だけの話だった。
翌日。同じドアを開けると、黒髪の少女が座っていた。
音羽澪。五月に転校してきた、教室ではほとんど喋らない女子生徒。
「月に一回、校内放送をすること。それが部の存続条件です」
顧問に突きつけられた条件のもと、俺たち二人はしぶしぶマイクの前に座る。話す内容なんかない。初回の放送は十五分間まるごと音楽だった。
でも、三人だけが聴いてくれていた。
お便りが届いた。週一の定期放送になった。番組名がついた。「放課後のふたりごと」。
不思議なことに、この部屋でだけは声が自然に出る。
防音の壁に守られた六畳の空間で、俺は音羽の声のトーンで感情が読めるようになった。嬉しいとき半音上がること。安心しているとき柔らかくなること。何かに蓋をしているとき、温度が消えること。
そして音羽は、俺の声をずっと聴いていた。
「真白くんの声が好きです。安心するんです」
――声が好き、と言われた。声が。
それ以上の意味
放送室のドアを開けたら、夕日と、椅子が二脚と、静寂があった。
完璧だ。ここなら誰にも邪魔されない。
――そう思ったのは、一日だけの話だった。
翌日。同じドアを開けると、黒髪の少女が座っていた。
音羽澪。五月に転校してきた、教室ではほとんど喋らない女子生徒。
「月に一回、校内放送をすること。それが部の存続条件です」
顧問に突きつけられた条件のもと、俺たち二人はしぶしぶマイクの前に座る。話す内容なんかない。初回の放送は十五分間まるごと音楽だった。
でも、三人だけが聴いてくれていた。
お便りが届いた。週一の定期放送になった。番組名がついた。「放課後のふたりごと」。
不思議なことに、この部屋でだけは声が自然に出る。
防音の壁に守られた六畳の空間で、俺は音羽の声のトーンで感情が読めるようになった。嬉しいとき半音上がること。安心しているとき柔らかくなること。何かに蓋をしているとき、温度が消えること。
そして音羽は、俺の声をずっと聴いていた。
「真白くんの声が好きです。安心するんです」
――声が好き、と言われた。声が。
それ以上の意味
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