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御諸の獅子と掌中の牡丹

作者: 花緒

作品紹介


 獅子の尾と耳を持つ人々が暮らす島国、豊穂国(とよほのくに)。己の肉体に牡丹の花が咲く「花憑(はなつき)」として生を受けた暁乃(あけの)は、万の痛苦をその身に宿す「虫憑(むしつき)」の特効薬として兵士に狙われるが、虫憑であり豊穂国の王である真金(まがね)により危機を助けられる。真金は人格者として名高く、その評価の通り暁乃を花憑として利用しようという者たちに顔を顰め、暁乃を自分の庇護下に置くことで守ろうとする。
 あくまでも暁乃を一人の人間として尊重し、物同然に扱おうとする周囲から庇ってくれる真金の優しさに少しずつ暁乃は惹かれていく。そして真金も、虫憑をいう呪いを宿す身であるゆえに孤独の中で生き、呪われた身に、真金の心にそっと寄り添ってくれる暁乃へと思いを寄せるようになる。
 真金を思うほど、暁乃は虫憑の痛苦に日々苛まれている真金を助けたいと思うように。花憑の花弁は虫憑を癒す力があるが、多くの花弁を失えば花憑自身の命にもかかわる。真金は暁乃の命を思うゆえに花憑を使うことは嫌がり、一人で虫憑の苦しみに耐えているが、それは真金の命を縮める行為でしかない。虫憑は短命で、しかし花憑の花弁を用い

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