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王妃を辞めたら国が倒産しました ~「側妃の入内準備は王妃府で」と告げた陛下、そちらの白紙の予算表が新しい側妃へのプレゼントですか?~

作者: かおるこ

作品紹介

王冠は金色に輝いていた。磨かれた大理石の廊下も、宝石を散りばめた玉座も、夜ごと開かれる華やかな舞踏会も。誰も知らなかった。それらを支えていたのが、一冊の帳簿と一人の王妃だったことを。

国王は言った。

「側妃を迎える。準備は王妃府でやれ」

それは感謝のない命令だった。当然のように発せられた命令だった。

王妃は微笑んだ。怒りも見せず、涙も見せず、ただ静かに答えた。

「かしこまりました」

そして彼女は、長年握り続けていた蛇口を閉じた。

予算を止める。契約を止める。補填を止める。無償の労働を止める。

誰にも気づかれなかった。最初の一日は。

ドレスは届かなかった。二日目には宝石商が姿を消した。三日目には厨房の肉がなくなった。四日目には暖炉の火が消えた。五日目には衛兵たちが不満を漏らした。そして七日目、王宮全体が寒さに震えていた。

王は叫ぶ。

「なぜだ! たかが王妃一人いなくなっただけだろう!」

けれど誰も答えない。

違う。

いなくなったのは王妃ではない。王宮を動かしていた仕組みだ。信用だ。信頼だ。責任だ。誰かが黙って埋め続けていた穴だ。

やがて公開された決算書。赤い

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