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16時の門限、黒い靴下の主婦 ——1.5万円で買われる私 しまむらのソックスと、大根を煮る夕暮れ

作者: くんりん

作品紹介

「二万。二十代なら三万出してもいいんだけどね」

スーパーのバックヤード、生魚と漂白剤の匂いに沈む三十四歳のパート主婦・彩菜(あやな)に突きつけられたのは、あまりに安く、けれど今の生活を根底から腐らせるには十分すぎる「値札」だった。

家では「ママ」、役所では「妻」、スーパーでは「パート店員」。
どこにも自分がいない窒息しそうな日常から逃れるため、彼女が求めたのは、真っ白なシーツの上で名前を捨て、ただの「肉」として蹂躙されること。

駅前の路地裏、黒いセダン。
「靴下は履いたままで。その方が、不倫してる主婦っぽくてそそるだろ?」

パステルミントの刺繍ブラジャーと、しまむらで三足セットだった黒のリブソックス。
その歪(いびつ)で惨めな姿のまま、彩菜は喉の最奥まで男の熱に貫かれ、日常という名の仮面を剥ぎ取られていく。

十六時の門限。夕飯の献立。
絶頂の果て、シーツに刻まれたシミを置き去りにして、彼女は再び「完璧な母親」へと戻る。
懐に隠した一万五千円は、汚れなき家庭を守るための「保釈金」か、それとも破滅への着火剤か。

「——ああ、次はいつ、あの場所へ行けるだろう」

洗剤の匂いが染み

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