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我が辞書に不可能はある~皇帝ナポレオン令和の日本で恋に落ちる

作品紹介

西暦1804年。
 フランス皇帝ナポレオン・ボナパルト、35歳。

 戴冠を終え、栄光の頂に立ったはずのその瞬間――彼の視界は、突如として白く弾けた。

「何だ……?」

 轟くような音。揺れる大地。
 次の瞬間、ナポレオンは見たこともない場所に立っていた。

 石畳ではない平らな道。奇妙な箱のような乗り物が唸りを上げ、空には見たこともない柱や建物が突き刺さっている。行き交う人々の服装も、言葉も、何もかもが理解できない。

「ここは……どこだ」

 皇帝である彼にとってさえ、それは未知そのものだった。

 そのとき――

「うるせぇよ、てめぇ! 少しは俺の気持ち考えろよ!」

 鋭い怒鳴り声が通りの向こうから響く。
 目を向けると、ひとりの若い女が数人の若者に囲まれていた。地味な色合いの服をまとい、派手さはない。だが、姿勢は凛としていて、怯えの中にも品があった。

「だから、俺と付き合えって言ってんだろ」

「やめなさい、常盤木くん。教師にそういうことを言うものではありません」

 落ち着いた声。しかし相手は聞く耳を持たない。

「教師教師うるせぇんだよ!」

 男が腕を掴もうとした、

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