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光源氏が現在日本に~初めて恋を知った~

作品紹介

休日のショッピングモールは、昼を過ぎても人で溢れていた。

源(みなもと) 加代子(かよこ)、二十三歳。県警勤務。
今日は貴重な非番だった。

本当なら、ただ服を見て、少し甘いものでも買って、早めに帰るつもりだった。
けれど仕事柄なのか、休みの日でもつい周囲を見てしまう。
人の流れ、不自然な動き、困っている子ども、騒ぎになりそうな空気。
意識しないようにしても、目が勝手に拾ってしまうのだ。

「……職業病、ほんと嫌」

小さく呟きながら、加代子は肩にかけたバッグを持ち直した。

その時だった。

人混みの向こうに、妙に目を引く男が立っていた。

最初はイベント関係者か、何かの撮影かと思った。
だが、どこか違う。

長い黒髪。
艶のある雅(みやび)な装束。
見慣れない重ねの衣。
まるで歴史絵巻から抜け出してきたような姿なのに、不思議と安っぽさがない。
周囲の誰よりも浮いているはずなのに、その男の立ち姿だけはやけに堂々としていた。

しかしその目は、明らかに戸惑っていた。

天井を見上げ、光る案内板に目を細め、エスカレーターが動くたびにわずかに身を引く。
きょろきょろと落ち着きなく辺りを見

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